
仙台市交通局が所有するいすゞ・キュービック。標準尺のエアサスワンステップ車です。
まず何より特徴的なのはそのフロントデザインで、キュービックでありながら前面を2枚の曲面ガラスで構成した、むしろジャーニーKに近いものとなっています。この前面は仙台市のほかには東武鉄道、静岡鉄道、伊丹市など一部の事業者にしか導入されておらず、さらに中扉が引戸のワンステップ車となればおそらくここにしかいない(かもしれない)貴重な形態です。
ただ、この車両の導入前に既にいすゞLV+富士重のワンステップ車が登場している中、なぜあえて特注マスクにしてまで純正ボディを採用したのかは素人目にはちょっと不思議に見えるところです。もちろん、貴重な形態が増える分には趣味的には大歓迎なのですが……
屋根上にはゼクセル製クーラーのコンデンサユニットと、その前方には左右2列に分かれたベンチレーターが搭載されています。車体塗装ほかの仕様はこの時期の同局では標準的なもので、特徴的だった青い着色ガラスは1997年の導入車から取りやめられています。
ひつじマークは仙台市役所から見て南にある長町営業所のマークです。
なお、キュービックのワンステップ車は「ニューワンステップ」として登場した当初は全車改造登録が必要とされており、型式も「KC-LV280/380*改」となっていました。その後改造扱いだったワンステップ車が普及するにつれ、やがてこの車両の頃には「改」が必要なくなっていたという可能性もあります。
事業者:仙台市交通局
ナンバー:仙台230あ205
車両番号:-
車種:いすゞ/キュービック
ボディ:いすゞバス製造
型式:KC-LV280N
年式:2000年
撮影日:2016年4月6日