

富士急静岡バスが所有する日産ディーゼル・UA。日デのシャーシに富士重工製の新7Eボディを架装しています。
富士急行のバスは地域ごとに複数の子会社に分かれ、特に静岡・山梨・神奈川西部の子会社ではそのそれぞれにおいてそこでしか見られない車両というのが少しずつ存在しています。
県を跨いだ車両の融通は(近年まで)ほとんどなく、山梨は富士山の反対側、神奈川は箱根の向こう側ということもあり、同じグループの子会社ながらきっぱりと分断されている印象が個人的にあったのですが、その分断を乗り越え、上野原から大月を経て静岡へと衝撃的ともいえる移籍を果たしたのがこの1台。複数台ある02年式のKL-UA+新7Eの中でただ1台だけM尺+中扉4枚折戸の組み合わせを採用した、F8272(山梨200か158)です。
もとは上野原地区で活躍していましたが、一度大月への転属を経て、このたび富士急静岡バス鷹岡営業所にてW8272(富士山240あ8272)として再デビューしました。
やはり目を引くのがグリーンベルトの富士急バスでは唯一となる4枚折戸のワイドドアで、もちろん富士急静岡バスには初登場です。
一方、それ以外の仕様については既に富士急静岡バスに在籍する(した)W8269・W8270をはじめ、同期の車両とほぼ共通となっているようです。ワイドドアは結局どこに行っても1台モノなので、それ以外の共通点の多い車両を持っていた鷹岡に呼ばれたのかもしれません(だったらなぜシティでなく……?という不思議もあるといえばありますが)。
2022年の時点で既に車齢は20年を迎えていますが、片割れを失っていた富士宮営業所W8270の新たな相棒として、一日でも長い活躍を祈っています。
鷹岡の車両は大月線系統で富士宮駅に乗り入れるため、いつかW8270との顔合わせも……?
※非グリーンベルトの4枚折戸の車両はフジエクスプレス東京営業所にレインボーⅡ(PA-KR234J1改)が3台、T2671~T2673として在籍しています。
事業者:富士急静岡バス
ナンバー:富士山240あ8272
車両番号:W8272
車種:日産ディーゼル/UA
ボディ:富士重工業 R17型E
型式:KL-UA452MAN
年式:2002年
撮影日:2022年5月24日