
富士急静岡バスが所有する日産ディーゼル・UA。富士急グループに多数導入されたCNG車のうちの1台で、車両番号2桁目より2003年に導入された車両です。
CNG車としては珍しいワンステップ車で、車体は西日本車体工業B-Ⅱ/96MCを架装、屋根上にデンソー製クーラーとCNGタンクを載せています。また、車高を抑えるためワンステながら車体はノンステがベースとなっているようです。
富士急の低公害車専用塗装である「Evergreen Shuttle」の塗装が、CNGタンクの重装備にもかかわらず軽やか・さわやかな印象を与えます。
富士急のCNG車のうち、KL-UA+西工のCNG車は2003年に初めて導入され(以前は中型だったり7Eだったり)、中扉に2枚折戸、側面窓には開閉部が非常に狭いT字窓を採用した実質富士急オリジナル仕様はこのグループから始まりました。
その後2004年式で窓に横引きのカーテンが追加され、2005年式で座席がハイバックシートになり、2006年式で車体が灯火規制に対応、という具合に少しずつ変化を重ねています。
CNGバスを含む天然ガス車両は高圧ガス保安法によりタンクの耐用年数が15年と定められており、それ以降はタンクの交換をしない限り車検を通せないため、ほとんどのCNGバスはその期限までに引退を迎えます。ところが、中にはこの車のようにタンクを更新して15年以上走り続ける車両もごくまれに存在します。
同車は2003年の登場から今年で19年、いよいよ20年の大台も目前というところに来ていますが、高額な費用をかけてタンクを交換した以上、よほどのことがない限りしばらくは安泰といえるのかもしれません。
事業者:富士急静岡バス
ナンバー:富士山240あ8364
車両番号:W8364
車種:日産ディーゼル/UA
ボディ:西日本車体工業 B-Ⅱ 96MC
型式:KL-UA452MAN改
年式:2003年
撮影日:2021年6月1日
2022.05.06 追記:全く安泰ではありませんでした……
W8364はこの記事を書いた直後の4月中に引退。かろうじて残っているW8365も運用から離れており、同様に代替されてしまう可能性が高そうです。